【中小企業診断士2次試験・B評価57点】令和5年事例Ⅳリアル再現答案(ふぞろい採点あり)

令和5年事例Ⅳの再現答案を公開します。

事例ⅣはB評価57点だったので結果だけ見ればそこまで悪くないと言えなくもないののですが、個人的には一番反省点が多く、悔いの残った事例でした。

最も大きな反省点はタイムマネジメントに失敗したことです。

いまでも鮮明に覚えていますが、試験当日はCVPでドツボにはまってしまい、時間を浪費してしまいました。

そこから完全に冷静さを失ってしまい、解けたであろうはずの問題を落とし、解けないまでも計算過程の記述によりもぎとれたであろうNPVの部分点を落としてしまいました。ここで1点でも積み上げていれば2次試験合格もありえたはずなのに。。。

実力不足と言ってしまえばそれまでですが、試験当日私はどんな罠にはまってしまったのか、そのあたりもお伝えしたいと思います。

第 1 問 (配点 20 点)

(設問 1 ) 

  (a) (b)
売上高営業利益率 11.59%
有形固定資産回転率 71.90回
自己資本比率 77.56%

ふぞろい採点は9点

(設問 2) 

同業他社との競争激化、顧客の志向の変化、他メーカーの新製品投入等により販売が低迷しているが、人件費削減は行わない方針で売上高営業利益率が低下し、収益性が悪化。

ふぞろい採点は9点

第1問は無難に得点を取れています。

第 2 問 (配点 30 点)

(設問 1 )

(1) 63.31%
(2) 1,141,564千円
(3) 3,111,376千円
(4) 14.73%

ふぞろい採点は10点

 

私が罠にはまったのがこの問題でした。

はまった原因は設問文の以下の箇所です。

解答に当たっては、変動費率は小数点第 3 位を四捨五入して、小数点第 2 位まで
表示すること。また、固定費および損益分岐点売上高は、小数点第 2 位まで表示し
た変動費率で計算し、千円未満を四捨五入して表示すること。

この問題は2期間の財務データから変動費率、固定費、損益分岐点売上高を求める問題なので、変動費率をx、固定費をyとし、連立方程式を作り、x、yを求めました。

x、yの算出後、検算を行ったのですが、検算の際に四捨五入後の変動費率と固定費を使ってしまったので、何度検算を行っても数字が一致しなかったんです。

冷静になって考えれば、四捨五入により端数が切られているので一致しなくて当然なのですが、当日はそのことに全く気づけず検算を何度も行ってしまいました。

早めに見切りをつけて次の問題に取りかかればよかったんですが、パニックに陥ってしまい、おそらく30分程はこの問題に捕まってしまっていたと思います。

この30分のロスがなければ、以降の問題ももう少し得点を取れたのではないかと悔やまれます。

(設問 2)

(1) X製品の販売を中止すべきでない。
  貢献利益が正で固定費回収に貢献している為。
(2) 50000万円
  X製品販売中止後の個別固定費15000*(1-0.8)=3000
Y製品の売上高の増加率をxとし、下記の式をxについて解く。
   6000-3000+4000x-1500-19000=2500
x=5
5*10000=50000

ふぞろい採点は(1)は5点。(2)は1

(2)は冷静な状態なら解けていたのではないかと思います。設問1のパニックのせいで時間も足りず、さらには問題文に誤植があり、正誤表が配布されるという事態が追い打ちとなり、惨憺たる結果となりました。

(設問 3 )

計算が簡単なので会計処理の手間が少ないという利点があるが、営業利益のみに着目すると、貢献利益がプラスで固定費回収に貢献している製品を販売中止するリスクがある。

ふぞろい採点は5点

妥当性について問われているのだから、「妥当でない」とはっきり書くべきでしたね。

聞かれたことに素直に答えるという基本ができていません。

第 3 問(配点 30 点)

(設問 1 )

(1)

計算結果は空白
営業キャッシュフローに年金現価係数3.993を乗じる。最後に0.7を乗じる。同様に0.3を乗じる。合計金額が正味現在価値である。

(2)空白

(3)計算結果は空白。

   投資は行うべきである。

 

ふぞろい採点は0点

(1)は苦し紛れに書いていますが、おそらく加点はされていないでしょう。

減価償却費だけでも最低限書いておけば1点くらいは取れたかもしれません。

(設問 2)

(1)

計算結果は空白
年金現価係数3.993を乗じる。

(2)

初年度期首に実行すべきである。

 

ふぞろい採点は0点

苦し紛れに書いていますが、こちらもおそらく加点はされていないでしょう。

第 4 問(配点 20 点)

(設問 1 )

D 社は、基礎化粧品などの企画・開発・販売に特化しており、OEM 生産によって委託先に製品の生産を委託している。OEM 生産の財務的利点について 50 字以内で述べよ。

在庫を持たないので、棚卸資産回転率が高く、効率性に優れる。広告宣伝費が少なく、販管費を抑制できる。

ふぞろい採点は4点

ここも完全に事故っていますね。何を勘違いしたのか私の解答は、OEMの受託側の視点で書いてしまっています。

(設問 2)

D 社が新たな製品分野として男性向けアンチエイジング製品を開発し販売することは、財務的にどのような利点があるかについて 50 字以内で述べよ。

自社生産、自社ブランドであり、中長期的には化粧品市場の成長が見込めるため、収益性が向上する。

ふぞろい採点は5

ふぞろい採点の結果

ふぞろい採点では合計48点と惨憺たる結果ですが、公式採点では57点と9点も上振れしています。

これは2次試験が絶対評価ではなく、相対評価である為だと思われます。

今回は他の受験者との相対評価によって得点が上振れしていますが、裏を返せば他の受験者の結果が良ければ下振れしていた可能性もあったということですね。

相対評価による採点が吉と出るか凶と出るかは運次第ですから、運に左右されないよう素点で60点以上獲得できる実力を身につけるべきなのでしょうね。

そして、今回の一番の反省はタイムマネジメント。

事例Ⅰ~Ⅲは80分で解く訓練をしていたのですが、事例Ⅳに関しては主に論点ごとに解いており、80分で解く訓練をあまりしていなかったことも影響していたと思います。

これから2次試験の対策をされる方はそのあたりもご注意いただければと思います。

 

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