【事例Ⅱ対策】製品の4つの価値について

本日は事例Ⅱ対策として、製品の4つの価値について具体例をもとに考えていきます。

事例Ⅱは他の事例と比較すると1次試験の知識がダイレクトに問われることが多いです。

この記事をきっかけに、事例Ⅱ対策のアイテムとして、皆さんの引き出しに「製品の4つの価値」を加えて頂けると幸いです。

製品の4つの価値とは

製品の価値は単なる機能や性能だけで決まるわけではなく、顧客がその製品を選ぶ上で重視する様々な要素から構成されています

例えば掃除機は「ゴミを吸引して、部屋を掃除したい」というニーズを満たすための製品ですが、家電量販店で掃除機を選ぶ際に、「ゴミが吸引できること」が判断基準の最上位にくることは少ないです。

「部屋を掃除する」というニーズを満たすという意味では、「ゴミが吸引できる」という基本的な機能を持つ掃除機であれば、どれを選んでもいいはずですが、実際にはそうなりません。

なぜなら、ニーズを満たせることは大前提として、基本的な機能以外の付加価値の部分が最終的な購入の決め手になることが多いからです。

製品の4つの価値は、このような顧客の行動を理解し、マーケティング戦略を理解するうえで重要なモデルです。

それでは、4つの価値について順番に見ていきましょう。

基本価値

製品そのものが持つ本来の機能や性能です。

掃除機で言うと、「ゴミが吸引できること」です。

便宜価値

製品を使用する際の利便性です。

掃除機で言うと、「コードレスで自由に動き回れる」「軽量」「お手入れが簡単」などです。

感覚価値

製品を使用することで得られる五感への刺激や満足感、楽しさです。

掃除機で言うと、「静音性」「スムーズな操作性」「おしゃれなデザイン」などです。

観念価値

ブランドイメージや製品を通して得られる自己表現やステータスです。

掃除機で言うと、「高価格帯掃除機の所有によるステータス」「アレルギー対策に注力した製品によるライフスタイルの向上」などです。

4つの価値はバランスが重要

4つの価値のどれを重視するかは製品特性やターゲット顧客によって様々です。

機能性を重視する顧客もいれば、デザイン性を重視する顧客もいますので、マーケティング戦略に応じて最適なバランスを取ることが大事になってきます。

たとえば、デザイン性重視の顧客をターゲットとした製品を開発する場合でも、基本価値や便宜価値といった製品力の部分をおざなりにしていては、いくらデザインが優れていても売れる商品にはならないでしょう。

反対に、基本価値や便宜価値といった製品力にのみ経営資源を注いだ結果、製品力に対するこだわりがブランドストーリーを形成し、観念価値を高めるといったケースもあることと思います。

どのような戦略を採用するにしろ、顧客の視点に立ち、顧客ニーズを深堀りすることが最も重要になることは言うまでもありません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

製品の価値は、単に機能性だけでなく、顧客が製品に求める多様な要素から構成されています。

製品の4つの価値を理解し、顧客の視点に立つことで、より効果的なマーケティング戦略を立案し、競合との差別化を図ることができます。

この記事が受験生の皆様に少しでも有益なものとなっていれば幸いです。

おまけ 2次試験参考書を4つの価値で考える

2次試験対策の日常的なトレーニングとしておすすめしたいのが、試験知識を身近な事例にあてはめて具体化する練習です。

下記の記事で、2次試験のおすすめ参考書として「ゼロからスタート! 金城順之介の中小企業診断士1冊目の教科書」を紹介しましたが、本書を例に知識の具体化トレーニングをしてみましょう。

 

aotaro-anchoco.com

製品の4つの価値から本書を分析すると、こうなるかと思います。

  • 基本価値 2次試験に必要な知識がわかりやすくまとまっている
  • 便宜価値 コンパクトなので通勤通学に持ち歩くのが苦にならない
  • 感覚価値 オールカラー&図解が多く、視覚的にわかりやすい
  • 観念価値 人気講師の合格メソッドのブランド力と自己実現

このような知識の具体化トレーニングを重ねることで、知識の定着が図れるとともに、与件文のキーワードから必要な知識を引き出す能力を高めることができます。

ぜひ日頃から知識の具体化トレーニングに取り組んでみてください。