こんにちは、あおたろです。
本日は、1次試験科目「企業経営理論」の頻出分野であり、2次試験対策としても押さえておくべきポイントである規模の経済と競争戦略の関連性について書きたいと思います。
規模の経済とは? 試験対策に役立つ基本知識
中小企業診断士試験では、規模の経済(Economies of Scale)がよく問われます。
これは、生産量が増えることで単位あたりのコストが下がる現象のことで、企業の競争力を理解する上で重要なポイントになります。
規模の経済は固定費の大きい事業ほどその効果が大きいです。
例えば、飲料工場では生産量に関わらず一定の固定費が発生します。
仮に飲料を1本しか生産しない場合は、その1本の売上で莫大な固定費を賄う必要があります。
反対に1万本生産する場合は、飲料1本当りの固定費は、1本しか生産しない場合と比較して1万分の1となり、単位あたりのコストが大幅に下がります。
競争戦略とは? 試験頻出のポーターの基本戦略
企業が市場で生き残るためには、競争戦略が欠かせません。
マイケル・ポーターが提唱する3つの戦略は、診断士試験で頻繁に問われるテーマです。
- コストリーダーシップ戦略:低コストで製品・サービスを提供し、価格競争で優位に立つ。
- 差別化戦略:品質やブランドなどで独自性を持ち、価格競争を回避する。
- 集中戦略:特定の市場やニッチな分野に特化し、強みを活かす。
これらの競争戦略は、規模の経済と密接に関わっています。
規模の経済と競争戦略の関係
規模の経済と競争戦略にはどのような関係があるのでしょう?
もっともイメージしやすいのが、コストリーダーシップ戦略との関係です。
コストリーダーシップ戦略 × 規模の経済
規模の経済により単位あたりのコストが下がれば下がるほど、より安価に商品を提供でき、価格競争で優位に立てます。
しかし、一般に中小企業がコストリーダーシップ戦略を採用することは困難です。
なぜなら、大企業と比較して経営資源の乏しい中小企業は、以下のような壁にぶつかるからです。
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生産量が少なく、スケールメリットを得にくい。
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大規模な設備投資が難しい。
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仕入れや物流コストで大企業に劣る。
では、中小企業が規模の経済を発揮するにはどうすればいいのでしょうか?
その答えが、残り2つの競争戦略である差別化戦略と集中戦略です。
中小企業が規模の経済を活かす方法
2次試験では、競争戦略として差別化戦略、集中戦略の採用が定番です。
その理由は工夫次第で中小企業でも規模の経済を発揮できるのが、この2つの戦略だからです。
差別化戦略 × 規模の経済
差別化戦略では、独自のブランド価値を確立し、安定した需要を確保することがポイントです。
これにより、一定の生産量を維持し、コスト削減が可能になります。
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ブランドの確立:ターゲット層に向けた独自性のある商品・サービスを提供。
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技術やノウハウの蓄積:特定の分野に強みを持ち、効率的な生産体制を確立。
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共通部品の活用:複数の商品で共通部品を使用し、調達コストを削減。
集中戦略 × 規模の経済
集中戦略では、ターゲットを絞ることで市場でのシェアを拡大し、生産量を増やすことができます。
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ニッチ市場の攻略:特定業界向けの専門製品・サービスを展開し、需要を安定化。
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地域特化戦略:地域密着型のビジネス展開で流通コストを削減。
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協業・アライアンスの活用:他の企業と連携し、共同仕入れ・生産を行うことでコストを抑える。
まとめ|診断士試験に向けた学習ポイント
規模の経済は大企業向けの概念と思われがちですが、中小企業でも活用できる場面は多くあります。
特に、差別化されたブランドの確立や特定市場への集中により、需要を安定させることで生産量を増やし、コスト削減につなげることが重要です。
診断士試験では、これらの概念を理解することが重要です。
特に2次試験では、与件文と結びつけて説明できることが求められます。
過去問を活用しながら、どのように問われるのかを意識して学習を進めましょう。